サバンナ八木 かやぶき君 295

サバンナ八木 かやぶき君    295

豊臣秀頼が征夷大将軍になることになった。
征夷大将軍というのは、源氏の血が流れてないと襲名できないという慣習があった。
側室の先祖が清和源氏の筋にあたるということに建て前場そうなった。
今ほどの情報社会ではない。
それに対して追求してくるものはいなかった。
いるはずもなかった。
これから、征夷大将軍になるのである。
今まで反対勢力だった武将も一気に近づいてきた。そして1610年、大阪幕府がひらかれたのである。

公平

「ジョージ東郷主演舞台 太陽と風のあいだ」のオーディションにきたかやぶき君。友人のつよしに一緒にきてくれと無理やり連れてこられた。 

「いや、何事も人生経験だから、どうせ落ちるんだから!」

つよしはそう言ったが かやぶき君としてはどうせ行くんだったらと洋服を新調した。普段ははかないチェックのズボンを勢いで買ってしまった。 上の服はおとなし目と考えたがお気に入りのレザージャケットを羽織っていった。 

ひょっとしてオーディションに受かって舞台に出る事になったらどうしよう。自分はタイプ的にTVでタレントとして活動する反面、バラエティーでもこなせるようなタイプだと思う。

まだ誰かにサインはした事がなかったが、すでに作ってあるからその辺は心配ない。ただつよしとの関係が気まずくなるのは嫌だった。 「ごめんつよし!そうなった場合」心の中で謝った。

集合場所についた。つよしはすでにいた。真っ赤なスーツでバッチリメイクをしていた。