サバンナ八木 かやぶき君 105

サバンナ八木 かやぶき君 105

仮想通貨でシノギを考える。
草コインを買って、それが価値があるように、見せかけて、販売する。
パンフレット作り。
これは業者に任せることにした。
このパンフレット作りも結構お金がかかる。
紙の質、これで値段がかわる。
実態のない物を売るのだ。
少なくとも実態である紙はケチってはいけない。
ツルッとした、光沢のある、水を弾くタイプの紙を使うことにした。
そしてデザイン。
ビットコインならBに二本線である。
どうしよう。
とりあえず草コインを買いまくろう。

公平 

かやぶき君は
幼い頃からその滝の噂を知っていた。

「オレンジジュースの滝」

ゾフィーじいさんの家の倉庫にあった滝の場所の地図を
見つけたかやぶき少年が
滝を見つける旅に一緒に行く仲間を見つけるのにまず10年。

出発後も様々な関門が待ち構えていた。
海の真ん中にあるトンネル
虹の先にある階段
雲と風の龍の門
イライザのなぞなぞ
ゴーレムとの腕相撲…。

しかし
ゴーレムに渡されたメモの住所が
愛媛県とわかった時に嫌な予感がしはじめた。

まさか
農家が開いたイベントのタイトルが
「オレンジジュースの滝」
だったんじゃないだろうか?と。

ひょっとしてこの滝は
誰でも行ける場所にある滝だったのではないか!?
そもそもみかんの滝じゃないのか?

逆に本当に滝はあるのか!?見た人がいるのか?
見た人がいるなら
その人数が何人までだったら
自分は納得いくのか?
年間何百人と訪れる場所ならそれはもう観光地だ。

愛媛県に入ってからは
そんなことばかり考えていた。

仲間たちも
言い出しこそしないが
うすうす気が付いているんじゃないのか?