かやぶき君 103

サバンナ八木 かやぶき君 103

横猫で、兄貴について修行をする。
兄貴の身の周りの雑用をこなし、お小遣いを貰うという生活である。
一人前になろうとすれば、自分の仕事を持たなければならない、いわゆる、シノギを見つけないといけない。
そのシノギは裏カジノであったり、野球賭場であったりした。
しかも、兄貴達がやっているシノギとバッティングしてはいけない。
しかも、完全な合法だと、横猫にいる必要がない。
横猫であるアドバンテージがないのだ。
何かいいシノギはないかと、模索するのであった。
今流行りの仮想通貨、これでシノギはできないだろうかと考えるのであった。

公平 

禍々しいうめき声のような音を立て
地面が動いた日から数日。

かやぶき君の嫌な予感は的中した。
すぐスマホに連絡がありこの喫茶店に呼び出された。

相手は妖精族の王。
怪獣族の王子であるかやぶき君のところに
連絡がきたのは初めてだ。
世界に何が起こり始めているのかわからないが
ここ数日、ソワソワが止まらない。

「いらっしゃいませ」

入って来たのは、高校生ぐらいの男の子だ。
他の客には目もくれず
すぐにかやぶき君の前に座った。

「初めましてグランです。
急なお電話すみませんでした。」

「こんにちは、かやぶき君です」

「手短に要件をお伝えすると
魔界族の封印が何者かによって解かれました」

「いらっしゃいませ、ご注文は?」

「冷コーで」

魔界族という言葉を数百年ぶりに聞いたかやぶき君。
ここ数日のソワソワの正体がそれである事
これから始まるであろう戦いの事
妖精族の王はアイスコーヒーを冷コーという事

すぐに整理がつかず
かやぶき君はしばらく止まったままだった。