かやぶき君 62

かやぶき君 62

飲んでいると、ガラガラとドアが開き、女将さんがやってこられた。
待たせてごめんねと言って、僕の隣に座られた。
焼酎をロックでたのまれた。
焼酎ロックとチェイサーが出された。
何も言わずにチェイサーが置かれたということはいつもこの飲み方なのだろう。
お疲れ様といい乾杯をする。
僕は飲んでいるが、女将さんからすると、
本当にお疲れ様なのである。
二、三分でおかわりされた。
僕の酔いに追いつくためか、いつもそうなのか、かなりのハイペースで飲まれた。

公平 

原付に乗りながら鼻歌を歌うと
思ってる以上に大きな声になってることを知るかやぶき君。

だから極力歌わないようにしているが
気分が良い時はついつい鼻歌が出てしまう。

かやぶき君の場合
鼻歌はかやぶき屋根の構造の関係もあって
独特のこもり方と響きが加わる。

だから歩いている人は
皆その声を救急車のサイレンと間違えて振り返る。

最近はメロディーを鼻歌うのではなく
ベースラインを重低音で鼻歌うのが
お気に入り。