かやぶき君 61

かやぶき君 61

女将さんからいつも飲みに行く店を聞く。
僕も行こうかな、何となく探ってみる。
行ったら、一緒に飲みましょうよ。
社交辞令のようにも聞こえるが、嫌な感じはしていないようだ。
本当に行くことにした。
女将さんの店を出て、紹介された店に行く。
カウンターだけの居酒屋だ。
遅くまでやってるというので、店終わりで来る人が多いそうだ。
飲食店の人が飲食店終わりで来る店。
店の大将も接客業の人を接客するだけあって空気を無にされていた。
あの空気の消し方は、究極の接客だと感心するのであった。

公平 

親友のウルフから電話がかかっくる。
「お前に良い報告と悪い報告がある。
どっちから聞きたい」

電話口でかやぶき君はスマホを
少し顔から話した。
なにしろウルフは声が大きい。

「お前が電話をかけてきて
良い報告だった試しがない。
できたら良い報告だけでいいけど」

「人間に変身出来るようになった」

「えっ!すごいじゃん!昔からなりたがってたじゃん!
おめでとう!
俺も変身出来るもんならしたいよ!
どうやってやって変身できるの?」

「それは満月じゃない日に
月の光浴びたら2,3日人間のままなんだよ!」

「へー!すごいなぁ!じゃあ就職も出来るんじゃないの?」

「そうなんだよ、たださ、変身できるのは
腰から下だけなんだよ」

「使えねーな」