サバンナ八木 かやぶき君

八木

カフェの前で居酒屋を始めた。
あまりに簡易な居酒屋である。
そこに通りがかりの男性が声をかけてきた。
その男性は、カフェのお店に店舗を貸していたオーナーさんだった。
何度か、カフェをやってる時に来られていたから会った事があった。
段ボールに手書きでメニューを書いているのを見て、大変なんだなというのはすぐに伝わった。
オーナーさんは、君なかなか面白いねとなった。
今使ってない店舗があるから、そこで店をやらないかと提案してくれた。
ラーメン屋さんのバイトを投げ出したことを考えれば、夢のような提案であった。

公平 

魔法学校の1次試験に合格し
2次試験の面接会場にやって来た。

待合室で周りを見渡せば
黒いマントのメガネの男の子もいれば
リンゴを持ったおばあさんもいる。
中には少し浮いてる奴もいた。

かやぶき君が魔法学校を目指すきっかけになった事が
3ヶ月前にあった。

先輩に連れていってもらったBARで
テーブルに来た男が
いきなり目の前で火を出した。
「わっ!」
かやぶき君は椅子から転げ落ちそうになった。
次の瞬間男に目をやると
男の手にはハトがとまっていた。

かやぶき君は先輩に尋ねた。
「先輩、これはどうやってるんですか?」
「これは魔法だよ」
「魔法…?」

その日から魔法の事が気になり過ぎて
何をしていても手につかず
結果、街で偶然拾ったチラシで
魔法学校を知り
応募することにしたのだ。

「4番の方どうぞ」

かやぶき君は案内された部屋をノックした。