八木 第115稿

宝くじで勝つ方法は一つしかない。
買った宝くじで妄想を膨らませるのだ。
3000円で連番の宝くじを買う。
当たった時に、これを買おうとか具台的に想像する。
そして旅行も計画する。
ホテルのホームページを見る。
レストランやバーまでチェックする。
それが終われば二等を想像する。
これを一ヶ月繰り返す。
27時間想像する。
必ず300円は当たるので2700円使ったことになる。
27時間で2700円。
1時間で100円。
ゲーセンより安い。
もうこれは勝ったも同然だろう。
アイスコーヒーを飲みながらホテルのホームページを見るの最高に楽しい。

公平

結局、ドキドキ感をどこかいつも求めている。
先日、とある会社の社長に若い頃の貴重な体験を聴かせてもらった。
ざっくり話せば、男女4人のダブルデートみたいな旅行にいき
友人の彼女に誘惑されて、海辺でこちょこちょしたという話だ。
うらやましかった。潮の香りまで漂ってきた。
同級生には、高校時代の話を聞いた。
3年間会話した事のない女の子をずっと片思いしていた話だ。
本人にしてみたら、切ないしひょっとしたら辛い思い出だ。
でもうらやましい。
人生において、体験できていない事で損をしている気がする。
私の中で絞り出して、あれはドキドキしたなぁというのは
中学時代、授業中、好きな女の子がとなりの席にいて
夏服の半袖で、10分ぐらい肘が当たっていたのに
その彼女がそのまま授業を受けてくれたことだ。
彼女もそんなに嫌じゃなかったのか?
それとも全く肘に感覚がない子だったのか?
今はわからない。
そんなドキドキ感を取り戻せたらと宝くじで埋めてる気もする。
細かいドキドキの積み重ねが大きいドキドキに変わるとは思わないけども
新しい体験はドキドキするし楽しい。
そんなものを提供できるようならそれも楽しいしそうありたい。
今日も珈琲は美味しい。