八木 第25稿

似たものを探すのは幸福度につながる。
天気のいい日にベランダで寝転ぶ。
この雰囲気、バリのビーチそっくりだと思い込む。
バリには一回しか行ったことがない、そのバリのビーチを記憶してそれとオーバーラップするのである。
寒い日にベンチに座る。
なんか北海道の小樽そっくりだなと思い込む。
気分は小樽である。
曇りの日に道を歩く、城崎の空気とそっくりだなと思い込む。日本海独特の空気だなと思い込む。
暑くて仕方ない時、高知の四万十川の川沿いと思い込む、さすがに高知は暑いなと。
思い込むという技があれば自由自在である。
何処でも、何処かに思い込める。
カフェに行く。
珈琲を一口飲む。
目を閉じる。
もうイタリアにワープしている。
イタリアの朝である。
イタリアには行ったことないが。
思い込む、これができたら世界中何処でも行けるのである。

公平

昨日、
美山町にあるお寺寶泉寺の「般若心経を唱え焙煎したてのアイスコーヒーを淹れよう」という
偶然見つけた会に参加した。
しかも事務所の近所だ。
もうタイミング的に、神様、いや薬師如来様が「参加しなさい」と言ってるような気がした。
飛び込み同然で伺ったが、快く受け入れてくださった。
般若心経を唱えてから飲む珈琲。

私以外の皆さん携帯コンロや焙煎器などコーヒー焙煎に必要な用具を持参していた。
私も焙煎させていただいた。
キリマンジャロとトラジャを浅煎り、深煎りと4種類を飲み比べた。


私が酸味やコク云々を語るのは、恥ずかしいが
あの場所で飲む珈琲がまずいはずがない。
なにより美山のお寺でこんなコアな会が行われている事に感激した。




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