サバンナ八木 かやぶき君 305

サバンナ八木 かやぶき君  305

大阪幕府も四代目将軍の時代になり、かなり安定した政権になってきた。
海外からの文化も入ってきて驚くぐらいの進化を遂げていた。
大名は、利益の一部を幕府に収めるものの、独立採算の会計をしていた。
大名の下で、家老が方向性をきめ、行政を行なっていた。
そこに、豪商が脇を固めていた。
大名の中には、借金をする大名と、潤う大名がいた。
その分かれ目は地場産業であった。

公平

本番直前シンクロカヤブキーズのメンバーはロッカールームに集まった。

「お前たちとシンクロ出来た事を誇りに思う。仕事しかなく枯れかかっていた俺に水を、いやプールの水を与えてくれた。ありがとう!思いっきり行こう!」

妻を3年前になくした敦が言った。 誰からともなくメンバーは拍手を送った。もちろん彼だけではなく自分達にだ。

「俺は…」切り出したのは最年長のジョージ。「おれは実はお前たちと会った日あのプールに死のうとしてきてたんだ。おぼれて自然死を装って妻に保険金でも下りないかなぁって。でもあの日お前たちが練習する姿をみて少し迷いが出てしまった。でも酔った状態で飛び込んでまんまと気を失ったんだけど、結果息があった。それはまさしくお前たちの息が合った演技を見たからだと思う」

また拍手が起こった。 

「俺は鼻つまみ者だったけど、鼻をつまんだお前たちに救ってもらった」

「社会を潜るように生きていた俺を水に潜らすとは…」

チーム全員が一言言わないと…みたいな雰囲気で試合前のミーティングは進む。試合に集中したいの自分もなんかうまいこと言わないといけないとコメントを考えるのに必死のかやぶき君。