サバンナ八木 かやぶき君 162

バスに乗り、相差に到着した。
漁師町のようだ。
旅館や民宿が立ち並ぶ。
予約をしておいた民宿に荷物を置く。
小さいが清潔感のある民宿だった。
荷物を置き、海を見に行く。
灯台があった。
この灯台を目印に漁師さんの船が帰ってくるのだろう。
海から風が吹いてくる。
磯の香りがする。
海を眺めるとプカプカとフグが泳いでるのが見えた。

公平 

駅前に停めてあったチャリンコが盗まれた。
置いた場所を間違えているのかと
何度も見返したがやはりなかった。
これだけチャリンコがある中で
なんで俺のチャリンコなのかと苦しくなった。

かやぶき君のチャリンコは電動でもない
普通の自転車だ。
もう3年は乗っている。
おしゃれな赤い自転車で
わかる人からみれば、センスの良い自転車だ。
鍵も前輪についていた。
外すとなればドライバーがあっても
苦労するタイプの鍵だ。

鍵をかけ忘れていたのか?
そんなことはない。
忘れていれば、手元にキーを持っていない。

ひょっとしたら
僕のチャリンコだとわかって誰かが盗んでいったのか?
誰だ?俺のチャリを盗んだ奴は。
今日の朝そう言えば、変なおばはんがずっとこっちを見ていた。
あれだれや?

あっ?ん。
今日は遅刻しそうで
隣の駅から朝電車に乗ったな。確か。

それはともかく
あのおばはん誰や。