サバンナ八木 かやぶき君 151

サバンナ八木 かやぶき君 151

バーチャルツアー。
人気が出てきた。
どこがいいかなと、相談から始まる。
福井なんかいいんじゃないないですか?
お客さんは戸惑う。
今の時期は行ってもカニを食べれないですよね。
カニは食べれないけど、沢山美味しいものがあります。
今の方が空いていていいんですよ。
夏の終わりの日本海。雰囲気ありますよ。
じゃあ、そうしてみようかな。
行き先が福井に決まった。

公平 

「あれ?こんなところにレストランあったっけな?」
かやぶき君のいつもの帰路に小さなレストランを見つけた。

その店に窓はなく中をうかがい知る事はできなかった。
看板にはハンバーグなどの洋食が並んでいた。
洋風の大きなドアに耳を近づけたら
中からは、談笑してる声がした。

どうせ夜ご飯をどこかで食べないといけなかったし
せっかくなので入ってみようとも思ったが
わざわざここで今食べなくてもいいなぁと
ドアのとってを持った手を離しそこから離れた。

確かにかやぶき君は節約生活をしていた。
そこに何か目的があるわけではない。
でもそれは自身への言い訳で
実は入る勇気がなかった。

怪獣の自分を受け入れてくれる店ならいいが
そうでなければもう2度と入れない。

今度人間の友人を連れて一緒にこよう。
少し顔を出した自分の嫌いな部分をなるべく
見ないようにして少し遠回りをして帰った。