サバンナ八木 かやぶき君 150

サバンナ八木 かやぶき君 150

鴨川で出会った女性と一晩過ごすことになった。

お客さんから電話がかかってきた。
最高の京都旅行だったよ。
美味しいものも食べて、女性とも過ごせたんだから。
お客さんは大満足だった。
あくまでも全て、バーチャルな世界である。
お客さんは自宅でパソコンの前に座っていただけである。
それで京都旅行を味わって貰ったのである。
旅行計画から、途中報告までするから、より現実に感じるのである。
バーチャルツアー会社、確かな手ごたえを感じるのであった。

公平 

自分の中の矛盾を人にぶつける道具ができたもんだから
色々ややこしい世の中だ。
正解なんておそらくないんだったら
自分と違う意見への一定の理解は必要で
それはルールとして覚えるか教えてもらわないと
孤立する人が増えると思う。

かやぶき君はホテルで女と食事をした後に
一人タクシーに乗り
別の女の所に行った。
残された女は別の男に会うために
化粧を直し始めた。

「運転手さん!運転手さんは怪獣を乗せるの初めてですか?」
かやぶき君は機嫌が良かったので
自分から運転手に声をかけた。
何の話でもいいから誰かと話したかったのだ。

「いえ、実は偶然なんですけど昨日砂かけばあばあ乗せましたよ」
「それ、妖怪だよ」
「えっ?また別だったんですね、失礼しました」
「まぁ位置的には似てるけどね」
「あのぉ、質問なんですけど妖怪と怪獣てなんか仲良かったりするんですか?
 交流会とかあったり?」
「そうだなぁ、怪獣と妖怪限定のお見合いパーティーみたいなのは行った事あるけどね」
「えっ?!あのぉ、これも興味本位に聞くんですが
その例えば、怪獣と妖怪が結婚したらどっちになるんですか?」
「あぁ あんまり聞いた事ないけどどっちなんだろうね?」
「あと、怪獣と怪物とバケモノは違うんですか」
「まぁそうだね…  」

10分後、女が待つ部屋をノックする。