サバンナ八木 かやぶき君 89

サバンナ八木 かやぶき君 89

サーファーの溜まり場。
スープの店を始めた時にまさかこうなるとは思わなかった。
やっぱり店の雰囲気って、お客さんがつくってくれるものかもしれませんね。
スープを飲みに綺麗な女性が来ていた。
そうなると、やっぱり男性が増えるんですよね。
そして、男前の男性がいると女性がまた増えるんですよね。
そしてまた女性がくる。
そしてなんかあの場所は男前や綺麗な女性が集まる場所だとなる。
そして、それだけでなく楽しい場所という感じになってくる。
次にナンパ目当てでくる奴はミーハーという風潮になる。
楽しいから来る。
友達に会いにくる。
男目当て、女性目当てでくる客はダサいとなる。
スープを売っていたら次第にそういう雰囲気の店になってきた。

公平 

おれはスパイだ。
コードネームはKYBK。
かやぶき屋根を頭にのせて
大統領からの任務を遂行する。
ファミリーレストランのウエイターは仮の姿である。

もちろんスパイなので名刺もなければ免許もない。
どこにもスパイとは明記されていない。
スポーツジムなどの職業記入欄には「自由業」と書く。
「スパイ」と記入するような野暮なことはしない。

先日、俺の所に「本来はブロンド髪の女」がやってきた
コードネームは081。
年齢不詳のタイトスカートの女だ。
いつも胸元はセクシーだ。
仮の姿はファミリーレストランのパートタイマー。
普段はパートの事もあるので、お洒落染めでブロンドの髪を隠している。
だから「本来はブロンド髪の女」

「ミスターKYBK、大統領からあなたに依頼が依頼が来てるわ」

ちなみに大統領と言うのは
近所の居酒屋で知り合ったおじさんのあだ名。

「何の依頼だ?」

「近辺調査の依頼よ。近所に新しい居酒屋ができたのはご存知よね?ミスターKYBK。
その居酒屋はオープニングセールと称して飲み物全品20%OFFにしてるらしいんだけど
どうやらそれだけじゃないらしいの」

「ほう、それでこの俺に飲みに行って確かめてほしいと?」

「そう、一人じゃ怪しまれるから、私もその調査に同行させていただくわ」

「ラジャー。それじゃあミス081
調査が終了したその後の話なんだが
もちろん朝まで付き合ってくれるんだよな」

「何言ってるの。あなた明日A勤じゃないの?
エリアマネージャーも来るらしいわよ」

「それじゃ遅刻はできないな。 辛い仕事だぜ」