かやぶき君 77

かやぶき君 77

パチンコで、大勝ちして、次の日に百貨店にジュエリーを買いに行く。
初めて、ジュエリー売り場に来た。
あいちゃんが好きそうな、そして似合いそうなものを買う。
人気のある、ハートのネックレスを買う。
あいちゃんとあう。
イタリアンの店に行く。
ドリアを食べて、ティラミスを食べる。
プレゼントね。
百貨店の袋から小さな箱を取り出す。
あいちゃんは驚く。
開けて。
あいちゃんはあける。
中にはハートのネックレス。
あいちゃんの目が潤んだ。
着けて見て。
あいちゃんの白い肌にハートのネックレスが凄く似合っていた。

公平 

旅立ちの朝
宿の主人が作ってくれた朝ごはんは
それはそれは豪勢なものだった。

「この街に伝わるグレイトブレックファストだ
旅の成功祈願する縁起ものだよ。」
かやぶき頭の主人が説明してくれた。

目の前のテーブルは朝ごはんで埋め尽くされた。
ごはん、焼きそば、うどん、食パン
肉、サラダ、お造り、焼き魚、グラタン 玉子焼き
目玉焼き、ハムステーキ …

昨日の食事も豪勢だった。
夜は、身体に良いとされる「ONSEN」というものに身体を沈めた。
歌を唄ったり、たくさんの書物を読みふけった。
無事に旅を終え母国に帰れた暁には
改めてまたここを訪れたいと思った。

その時のために
旅の記録ノートにこの宿を記しておこう。

「YukaiResort」

旅人は大きなリュックを背負い旅を続ける。

そしてなんとなく気が付いていた。
あのかやぶき頭の男。
自分の事を「ここの主人」だと言っていたが
おそらくバイトだなと。