サバンナ八木 原付の免許をとる。

公平にいつか、映画にして貰うことに期待しよう。
たまに昔を振り返ると、圧倒的に高校生の時のことを覚えている。
高校生ってそれだけ刺激があったんだろうなと思う。

高一の夏休みに羽束師にある運転免許証ね試験を受けにいった。
当然、免許がないから、電車とバスで行く。
運転免許センターの前にある、私設の虎の巻で教えてくれる講習を受ける。
とにかく、こうきたらバツにしろと、とにかく受からすためだけの講習である。
受かったらしっかり内容復習しようと思う。

いざテスト。
大丈夫かなという手応え。
発表、電光掲示板に番号が点灯していく。

あった。

受かった。
原付の免許を取ることができたのだ。
あの時に座ってた長椅子、雰囲気、しっかり覚えてる。
覚えてるもんだなあ。



公平

原付のテスト。
やたら早朝に行った。大阪は試験場が門真にあるので
家からはバスやら電車を乗り継ぎ乗り継ぎで2時間ぐらいかかる。
冬の早朝、降り立った門真の駅は、あまり人がいなかった。
試験所までもかなり歩いた気がする。

そして、噂には聞いていた「虎の巻講習」を私も受けた。
プレハブでできた講習会場は薄暗く、簡易の長机とパイプ椅子が並べられている。

そこにはすでにたくさん人がいた。
天上からぶら下げられている管を装着し目を閉じ座っている。

人造人間の製造工場のような雰囲気だ。
よくよく見たら、皆が付けていたのはヘッドホンだった。
私もそこに交じり、ヘッドホンを付ける。

流れてきた声と内容に衝撃を受けた。
世の中こんな感じなんだなぁと
思ったのを覚えている。

プレハブを出たら、外は少し明るくなっていた。
試験場のまわりには、同じようなプレハブがいくつもあり
そこから人造人間たちがぞろぞろ出てきた。

後日、友人2人に
「落ちる人がいないぐらいのシステムだった」と話した。

2人も原付の免許を取りに行った。
そして1人は落ちた。