この夏、クワガタ捕りに行った。
クワガタを僕たちの地域ではゲンジと呼ぶ。
それぞれの呼び名がある。
ノコギリクワガタは馬。
ヒラタクワガタは牛。
ミヤマクワガタは兵隊。
コクワガタはチョカ。
メスは全てばあちゃん。
昔は虫かごとか持っていかなかった。
取れたら帽子の中にいれてかぶる。
これで逃げて行かないから不思議だ。
当たり前のように帽子に入れてかぶっていたが今考えるとすごい。
虫かごや網を持ってたら、あまちゃん扱いされた。
こいつ下手だなと。
そして自分がとる木を本場と呼んでいた。
本場は人に教えてはいけない。
入る場所を見られてもいけない。
あのころ、携帯もなく山に入っていた。
考えたら怖い。
水筒も持っていかない。
ゲンジ捕り。
小学生の時の思い出はそれにつきる。
小学生の時の夢、ゲンジが取れる山に住むことだった。
ゲンジにはそれぐらいの魅力があった。
43歳になってのゲンジとり、知らない間に熱くなっていた。
やはりゲンジには魅力があるのである。

公平

昔、カブトムシがペットショップで売っている事が衝撃だった。
自分で採って持っていけば、買ってもらえると思った。
簡単にこづかいが稼げると思った。
イメージ的には酒屋にコーラの瓶を持っていって50円もらう感覚だ。
カブトムシやクワガタの漁師になろうかと本気で考えた時期がある。
小学4年生ぐらいの時だ。
その頃ちょうどバスケットを習い初めて、練習が毎日あり
体力的に早起きがしんどかったため
結局そんなにカブトムシを取りには
いけなかった。
そして冬「ありとキリギリス」のキリギリスみたいに
なるんじゃないか?と怖くなりカブト漁師は諦めた。
4年生の夏の自由研究に昆虫の標本を作ろうとした。
その時気付いたのだが、カブトムシをはじめ昆虫全般に
触ったりすることが私はあまり好きでなくなってきていた。
結局標本は作らなかった。
休みがあけて、他の友達の自由研究をみたら
その中に「蝉のぬけがらの標本」というのを作ってきていた子がいた。
たくさんの抜け殻を箱の中に丁寧に並べているようなものだ。
来年は私も「これをつくろう」と思ったのに
5年生には、それすら触るのが嫌いになっていた。